缶バッジの歩み
1970年代と缶バッジ
特注オーダー缶バッジと1970年代は切っても切れない関係にあります。ここ日本では70年代にサンスター文具より販売されたスマイリーフェイス(“にこちゃんマーク”の名でも親しまれました)が大流行しました。
丸いフォルムにシンプルかつ愛らしくプリントされた笑顔“スマイリー”の缶バッチグッズは、当時から激安価格で身に付けられるグッズとして人気を博し、そのブームは日本中を席巻したのです。
戦後平和な時代の象徴として、子供から大人までこぞってスマイリーのオリジナル缶バッジを服や鞄付けて町を闊歩していたそうです。人目に付きやすい場所にあるため、メディアなどで話題になるとブームの火が全国へ広がるとはあっと言う間のことでした。
80年代末にブーム再熱
スマイリーの印刷デザインとともに大ヒットした格安制作の缶バッチは71年以降徐々に沈静化していきます。しかし、80年代に人気歌手がファッションアイテムとして取り入れたことにより再び若者を中心に支持を得ます。
日本のスマイリー缶バッジの元となったデザイン
日本でヒットしたスマイリー缶バッチは、アメリカの既製品をもとにデザインされたものでした。通常、商品化するために版権者との契約が必要です。
しかし当時のアメリカではスマイリーは各社で自由に使用されており、オリジナル版が空席状態となっていました。
そのため、日本には独自のスマイリー缶バッジのデザインがあります。
当時文具メーカー「リリック」のデザイナーであった峰与志郎氏によって作成された缶バッジデザインは左右非対称のフリーハンドで描かれ、目も垂れ目で白い点が入れられています。
この製作デザインは、ノスタルジックさと優しさ、カジュアルさを感じさせるアイテムとして現在でもノベルティやプレゼント、物販用に人気が高く廃れることはありません。